大阪高等裁判所 昭和51年(ネ)485号・昭51年(ネ)486号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
【説明】
被相続人柴きぬ名義の不動産につき共同相続人たる第一審原告西田郎名義の特別受益者証明書を提出して単独名義で相続登記をした訴外柴正一が、右不動産を第一審被告らに譲渡してその旨の所有権移転登記を経由した。西田が第一審被告らに対し西田がその相続分に応じる持分権を有するとして、更正登記手続等を求めたのが本件である。本判決は、西田名義の特別受益者証明書は真正であると認定したうえ、次のとおり判断した。
【判旨】
3 ところで共同相続人において被相続人名義の不動産を、一人の相続人の単独相続に因る所有権移転登記をするために、他の相続人が事実に反する特別受益者証明書を交付した場合は、その者が共同相続人として右不動産に対する自己の持分権を相手方に贈与したものと認めるのが相当な場合が少くなく、本件においても、前認定の事実によれば、一審原告は、正一の求めにより、同人において本件一、二建物を単独で相続することを承認し、その登記手続をさせるために前掲特別受益者証明書を作成交付し、以つて本件一、二建物に対する持分権を贈与したものと認めるのが相当である。
(山田義康 潮久郎 藤井一男)